大草原の小さなCOVACO ②

前回、偶然に広い土地を確保することができた我が家は、ようやく建物を探すことになりました。

いま住んでいるアパートは所謂メゾネット型なんですが、広い部屋のある2階は寝るだけの物置状態で、普段は狭い1階だけで過ごしているわけです。なので、建てるなら「平屋」というのは当初から二人の一致した希望でした。

ただ、平屋の弱点は平面にしか広げることができないので、部屋や収納を増やせば増やすほど広い建物になるコト＝コストが嵩む。

アウトドアっぽい雰囲気で薪ストーブの似合う住宅といえば、大手のB社さんが有名ですが、我が家にとっては完全に予算オーバー！ しかも、実際に建てた人の評価は「住宅以下、山小屋以上」なんて散々なモノで（笑）そもそも平屋は扱ってないし…

そんな時に妻が会社から持って帰ってくれたのが、ローコスト注文住宅を売りにしているD社の完成展示会の案内チラシでした。平屋も扱っているらしく「ちょっと行ってみようよ」と初めての内覧会に行ってみました。

案内してくださった建築士の店長さんは物腰が柔らかく、しかも以前B社で営業をされていたのだとか！

ガツガツとセールスするわけでもなく、親身になって家づくりのイロハを説明してくださいました。しかも話しぶりだと何だか予算に収まりそう。

自宅に帰ってから妻に「もうココでもよくね？」と話すほど私の中では好印象でした♪

その後、D社さんの内覧会には2度ほど足を運び、事務所で話し合いを設けることになりました。当日までに我が家の建てたい家の具体的な要望は全てお伝えし、ある程度の外観と間取りを見せて頂けるお約束で迎えた当日、ドヤ顔で示された外観のラフ画は我が家の希望と大きくかけ離れたものでした。

私「えっと、外壁はガルバじゃ？」

店長「金属系のサイディングは窯業系よりも高いんですよ」

私「屋根も片流れでは無いんですか？」

店長「はい、瓦屋根を想定してるので切妻が似合うと思います」

私「ウッドデッキは？」

店長「後からDIYで付けられたほうが安いですよ」

私「床は無垢ですか？」

店長「いえ、合板の床材です」

私「・・・」

店長「？？」

間取りもごくごく「普通」の２LDKに押し入れ2つ、これで建物だけの提示額は1350万、総工費は安く見積もって2500万オーバー（どこがローコストやねん！）

施主の希望よりも自分の設計がベスト！

我が家の平屋という希望以外ほとんど採用されない話し合いに何の意味も見出せず、最初で最後の打ち合わせは３時間で終了しました。

D社に打ちのめされてから数か月後、今度は別の地元工務店S社さんのチラシを持って帰ってきた妻（ウチは新聞を取ってないので）「女性設計士が女性の目線で作りました」の一文が印象的だったらしく、展示会に行って話を聞いてみることになりました。

無垢の床が気持ちよく、家事のし易い動線が素晴らしいお家でした。しかも、その女性設計士さんが偶然妻と知り合いだったことが分かり、俄然やる気が復活した私たち♪

我が家の希望や予算をお伝えして、後日改めて事務所に伺うことになりました。

その後、S社の営業さんから妻に「希望されているご予算くらいで平屋を建てられた人がいるので、ぜひ引き渡し前に見て頂きたい」と連絡があり、クルマで1時間かけて隣町まで行ってみることになりました。

一目見た外観は切妻屋根に黒瓦で白い外壁の公民館？というもの（苦笑）

中もだだっ広いリビング・ダイニングに壁付けの古臭いキッチン、掃き出しのサッシ窓がついている田舎の公民館か集会所ですね。

「こんなに広いのに1500万で建ったんですよ！」と営業さんは熱く説明してくださいますが、説明を受けている私たちは冷めていく一方。テンションだだ下がり↓↓

私「もういいよ…」

妻「そだね…」

住まい作りってこんなにも疲れるモノなのかなぁ？

帰りの車内は暗～い雰囲気に包まれていました。