「暮らしを包むかたち」――器と家づくりの共通点 BinO松江
2025.06.30
カテゴリー :日々のこと

毎日の暮らしの中で、何気ない食卓の風景がふと豊かに感じられる瞬間があります。それは「器」という道具です。
誰でも使っている器でお気に入りがあると思います。私は青白磁の器です。
やわらかな青みを帯びた白が、盛りつけた料理の色を引き立て、夏の食卓にひんやりとした涼やかさを添えてくれます。冬の食卓では、その澄んだ白に静けさと凛とした気配が漂い、ぬくもりのある料理を引き立ててくれます。
同じ料理でも、この器にのせるだけで、ふだんの食事が特別に感じられ、心まで整うのです。見た目の美しさはもちろん、手にしたときの感触や、料理との相性――
暮らしにそっと寄り添い、日常を豊かにしてくれる存在です。
家づくりもまた、器を選ぶことと根っこは同じだと考えています。
どちらも「暮らしを包み込むかたち」を選び、使うたびに心地良さを感じ、季節の移ろいを感じられるもの。
そんな小さな喜びを積み重ねることで、住まいはただの建物から暮らしの風景をつくり出す存在へと育っていきます。
私は家も器と同じく「暮らしの道具」のひとつとして捉えています。
だからこそ、一棟一棟に丁寧に向き合い、長く愛される住まいづくりを心がけています。