梅雨明け 四季を感じる暮らし
2025.06.28
カテゴリー :日々のこと

しとしと、しとしと。
静かに降り続ける雨を眺めていると、幼いころの記憶が蘇ります。
子供の頃から、私は花が好きでした。
庭先に咲く季節の草花を、祖母や母と一緒に眺めながら
「もうすぐ梅雨が来るね」なんて話していた記憶が、今も鮮やかに残っています。
季節がめぐるたび、違う色や香りが暮らしを彩ってくれました。
それはいつしか、私にとって当たり前の、でもとても大切な日常となりました。
梅雨の時季になると、アジサイがふわりと色づき、
沙羅双樹の白い花が、雨に濡れながらも凛と咲いています。
キキョウは静かな紫をたたえ、
シャクナゲはふっくらとした花びらを重ねて輝きます。
木陰からひょっこりと現れるカエルたちの姿も、
どこか楽しげで、この季節ならではの風景です。
雨の日は、家の中で過ごす時間が少しだけ長くなります。
そんなときこそ、住まいの心地よさが際立つもの。
窓から見える雨に濡れた庭の景色、
軒先に落ちる雨音、
やわらかな灯りと木の温もりが、心をほっと包んでくれます。
花を愛で、季節の変化を感じながら暮らすこと。
それは、自然とともに生きるということでもあり、
「住まい」がただの建物ではなく、心を休める場所であることを教えてくれます。
私たちは、そんな日々の豊かさを感じていただける家づくりを
これからもひとつひとつ丁寧に重ねていきたいと思っています。
重谷