暮らしの始まり

住みはじめて、1週間が経ちました。
ダンボールはまだいくつか部屋の隅に残っていて、「片付け終わった」とはとても言えない状態です。
どこに何をしまうか、まだ決めきれていないものがいくつかあって、毎日少しずつ、自分の暮らしのかたちを手探りしているところです。
それでも——住んでいます。ちゃんと、ここで。

ずっとやりたかったこと
片付けの途中でも、どうしてもやらずにはいられなかったことがあります。 それは「ガスオーブン
でパンを焼くこと」。 以前の家では叶わなかった、ずっと温めてきた小さな夢です。新居に引っ越したら
絶対にガスオーブンにしようと心に決めていました。
生地を捏ねて、一次発酵を待って、成形して、二次発酵。オーブンが温まってくる頃には、東の窓から朝日
がやわらかく差し込んで、キッチンの白い壁をゆっくりと照らしていきました。部屋の隅までひかりが満ちて
くるのと、パンが焼けるにおいが広がってくるのが、ほとんど同時で、
太陽の温もりとオーブンの熱が家全体をやさしく包んでくれているようでした。
焼き上がった丸パンをケーキクーラーに並べたとき、思っていた以上に嬉しくて、胸がじんとしました。「ああ、
ここに住んでいるんだ」という実感が、こういう瞬間にふっとやってくるものなのかもしれません。
片付けの合間に、少しずつ

完全に片付いているわけではないけれど、お気に入りのものだけは早めに「居場所」を決めました。 窓辺に
並べたのは、20代の頃に自分で撮影したスライドフィルムです。引っ越しの片付けをしていたら、ダンボールの
中からひょっこり出てきました。 すっかり存在を忘れていたのに、光に透かしてみると、あの頃夢中でシャッター
を切っていた記憶がじわりと蘇ってきてました。懐かしいような、少しくすぐったいような気持ちになりました。
新しい家の窓辺に並べてみたら、思っていた以上にしっくりきて、そのままここに飾ることにしました。片付けの
途中でこういう”寄り道”があるから、なかなか終わらないのかもしれません。
片付けが終わったら、またご報告しますね。
