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小さな家の、大きな節目

小さな家の、大きな節目

9坪という空間と向き合ってきたこの月日を振り返ると、最初に図面を広げたあの日のことを思い出します。「本当にこのサイズで大丈夫だろうか」と感じていた不安が、いつしか「この小ささだからこそ」という確信に変わっていきました。

大きな家なら、きっと「どこか」にいる。でもこの家では、いつでも「ここ」にいる。光がどこから差し込んでいるか、風がどこを通っているか、季節がどう変わっているか——9坪は、そのすべてを手の届く距離に置いてくれる空間でした。

大工さんの匠の技が詰まった階段。窓から差し込む光が床に描くやわらかな模様。天井の勾配が生む、思いがけないゆとり。それらはすべて、図面という平面には決して書き込めなかった「豊かさ」でした。広さで得るものではなく、近さで気づくもの。この家を建ててそのことをはじめて体感しました。

感謝を、この空間に込めて

青空の広がる今日、引渡し式に臨みました。施主として新居のカギを受け取ったとき、やっとここが自分の家なのだとじわりと実感が湧いてきました。そして同時に、この家はわたし一人の力でできたものではないと、改めて強く感じました。

設計の段階から幾度も対話を重ねてくださった方々。現場で黙々と手を動かし続けてくださった職人さんたち。そして、ブログを通じてずっと見守ってくださっていた皆さん。たくさんの「想い」がこの9坪に宿っています。

「暮らし」が始まる

ここから暮らしが始まります。光の角度が変わるたびに、季節が移るたびに、この小さな家はきっと違う顔を見せてくれる。お気に入りのものを少しずつ招き入れながら、この9坪だけの時間を丁寧に積み重ねていきたいと思います。

家を建てるまでの記録を綴ってきたこのブログは、これからも続きます。間取りや仕様の話ではなく、この小さな家での日々——光の移ろい、小さな発見、暮らしの中で気づいたことをこれからは伝えていければと思っています。どうかこれからも、お付き合いいただけたら嬉しいです。